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PC-100,腕コンUC-2000,Mac(月刊ASCII 1984年4月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

「BUSINESS TALK」にPC-100が取り上げられた。

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結論から書くと好意的な記事だった。私も同意する。なぜ、PC-100が売れなかったのか36年経っても分からない。PC-9801Fが売れたのは当然として、ビジネスコンピュータであるPC-100もそこそこ売れても良かったと思う。分からない。

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売りがマウスとVSHELLだった。

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マウスの説明が必要なほど新しいデバイスだった。
VSHELLというものがあったとは36年後に気が付いた。それほど、話題にならないものだった。これは、PC-100がマイナーすぎるからだろうか。

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PC-100にはマルチプランもバンドルされていたようだ。前にも書いたがマルチプランはセルを移動させるときカーソルオーバーランを起こしていた。記事では「決して速くはない」と控えめに書いてあるが、使ってみるとはマイクロソフト社の営業を叱りつけたくなるようなできだった。高い金取ってこんな製品を売ってお前たちはどれだけ面の皮が厚いのだ。まあ、マシン語ではなくCコンパイラで書いていたようなので8086のような低性能16ビットでは仕方がない。8ビット機でもマシン語で書けばマルチプランより高速なカーソル移動ができるソフトは書けるのだ。

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最後にこのようにまとめてあったが、本当にこのとおりであるのになぜか売れなかった。私は、36年前のユーザが悪いのだと思う。プログラムを書ける者がPC-100を買わないのは当然として、プログラムを書けない、それこそ雑誌に載っているコードすら入力できない人々がなぜPC-100ではなくPC-9801Fを買ったのかが良く分からない。多分PC-9801F用のBASICで書かれたプログラムが結構あったので、プログラムを入力しないでそのソフトを買っていたのだろう。
当時のマニアユーザのパソコンの楽しみ方として、たとえ自分でプログラムを作れなくても、雑誌に載っているプログラムを入力するとパソコンを使っているような気になり満足感を得ていた知人が多かった。

次に腕コンUC-2000
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腕コンが36年前にあった。それも実用的なものが。凄いと思う。
ただ、必要となるシーンが少なすぎて面白さ以外に購入動機がなかったと思う。

最後に編集後記ではなくPersonal Islandの記事を引用する。
3度目のエポックとなるか,“マッキントッシュ”
 「パーソナルコンピュータの産業において,このマシンが,第3の里程標となることを望んでいる。」これは,マッキントッシュの発表に際して,アップル社会長のスチーブン・ジョブスの言葉である.第3の里程標とはつまり,1番目が1977年のアップルII(この年は俗にパソコン元年とも言われ,コモドール社のPETとタンディ社のTRS-80の誕生の年でもある),2番目が1981年でIBMの“ザPC"の誕生を意味し,“マック”もこれにあやかるつもりであるということだアップル社の新型パーソナルコンピュータ“マッキントッシュ”は小さな体に執念とも言えるアップル社の努力が込められたマシンである.
 確かに9インチのモニタTVがぴったりと納まったハードウェアもちょっとした出来上りである.512×342ドットのビットマップディスプレイ,128Kバイトの標準RAM,コンパクトなキーボードとマウスは、米国の市場においては傑出している.8MHzの68000とソニーのマイクロフロッピーの組合わせで約60万円という価格は、ライバルのIBM・PCと比べてコストパフォーマンスにおいても相当の差がつくことになる.
 マックの特色は第一に小型であることだ。9インチのモニタは,米国ではやりのポータブル型のサイズであり,99ドル出してキャリングケースを買えば気軽にあちこちぶら下げて歩ける.(プリンタはどうするのだろう)第2の特色は,3.5インチのマイクロディスクである.400Kバイトの容量とシングルドライブという点に問題があるが,操作性と安全性は5インチのミニフロッピーのヘナチョコと比べれば比較にならない程,初心者向きだ第3の特色は早いことである.8MHzというクロックスピードと,64KバイトのROMに組込まれた各種の芸術的なシステムルーチンにより,演算とグラフィックス処理の速度はライバルをはるかに上廻る,ザPCと比べてマルチプランは2倍に,BASICはなんと10倍の速度だと言われる.第4の特色は操作の容易さである.アップル社は100人のスタッフを3年間はりつけたと言われる開発努力の大半をこの“ユーザーインターフェイス”の改良に費やした.ハードウェアの面ではマウスの標準装備がこれにあたる,キーボードを注意して見ると,↑や→のようなカーソル移動キーが無いことに気付くが,マウスを使えばこのようなキーを必要としなくなるのは事実なのだ.このようにマッキントッシュは、アップル社のパッとしなかった2つの先輩マシン,「アップルIII」と「リサ」の教訓を十分に生かした商品開発がなされている.
マックのソフトとしては、アップル社からまず“MacWrite”と“MacPaint"が出荷される.一枚のディスクに収められ5万円弱の価格である.リサの場合のように,WPと表計算の並行処理はできないが,アスキーの編集部の者が,マニュアルを見ずに楽に使いこなせるくらい、仕上がりの良いソフトである.拡大モードにして,1ドットずつ確認しながら絵を書ける楽しさは全く新鮮な世界という気がする.ソフトウェアに関しては、当然出来たてのホヤホヤのマシンであるから十分な数はそろっていない.IBM・PCとの互換性を全く考えていないので,すべてが新たな挑戦となる.それでも,アップル社からは,通信ソフト,リサ系の表計算やグラフのソフトが発売される予定となっている.しかし中心となるのは外部のソフト会社がどの程度マトックに興味を持って製品開発を行うかであろう。既にマイクロソフト社を初めとして,口ータス社やアシュトンティト社など一流どころが,参入を明らかにしている.特にマイクロソフトは、マックの開発の初期から共同開発とも言える体制を組んでおり,アップル社に匹敵する人員を投入したと言われている.その成果は,従来のバージョンと完全に異なる“マルチプラン”の同時発表という結果に現れている.
 我々がマックに注目すべき点は,日本への進出であろう.ハードウェアとしては,既にマックに匹敵するものも多いが,これだけ金のかかったソフトを持つマシンはまだ日本には存在しないからだ。アップル社は今秋にも日本上陸を仄めかしているが,問題はやはり漢字である.640×400のグラフィックスが標準の国産機と比べればやや表示可能字数は落ちるが,十分実用になるレベルである.問題はソフトが漢字化を考えて開発されたかどうかである.これまでは,ソフトが出来上がった後に漢字化を企てた点で困難が大きかったのであるが,マックではROMの開発思想の中に,外国語での処理が当初から組込まれており,場合によっては、さしたる困難無く漢字データは扱えるのかも知れない.そうなってもカナ漢字変換などの入力の問題は残るが,“漢字マック”も夢では無いようだ。
 以上のような日本市場におけるマックの活躍が事実となり,コンパチマシンが続々と登場し,アップル社の株価が昔の勢いを取り戻して,スチーブン・ジョブス会長の財産がまた増えた時,“マック”は84年に新しい歴史を作ったと言われることになるだろう.
マックへの期待が高かったのは編集部だけではなかった。私たちも期待していたがただ、英語に強くなければ使いこなせないのが弱点だった。マニュアルがなくても使えるのがマックだったが、日本語が処理できないのでは仕事に使えない。パソコンを使うことが趣味ならばマックは素晴らしかった。ただ趣味に60万円を払える人は少なく、この初代マックを買った知人はいなかった。

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