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用語解説 特集CD-ROM(7)(月刊ASCII 1986年6月号12) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事「CD-ROM 徹底研究 CD-ROMのすべて 第3回 デジタル信号処理」をスクラップして読み返す。難しい数式が出てきて手ごわい記事だ。理解できなくても良しとする。
用語解説

*1 Reed-Solomon符号
 符号語がガロア体GF (2r) の元より構成されるBCH符号である.Reed-Solomon符号はα をGF (2r) の原始元とした時,生成多項式が,
G(x)= (x-α) (x-α2) · · · ·  (x-αd-1)
 で与えられる符号長:n
n=2r-1
のGF (2r) 上の巡回符号である.
 情報記号数:nは,
k=n-d-1= 2r-d
となる.また生成多項式の根は,
α , α2 , · · · ·  αd-1
 であるので,最小距離は,dとなる.
 Reed-Solomon符号はGF (2r)  の元の誤りを訂正する符号であるが,GF (2r)  元をr次元2元ベクトルと考えれば,rビットのブロックの誤りを訂正する符号ということができる.一般にこうした符号をバイト誤り訂正符号という。

*2 最小距離(minimun distance)
符号 C= { x, x1, · · · · , xM }
のすべての異なる符号語の間のハミング距離の最小値を,その符号の最小距離といい,dminで表す.例えば,符号Cの最小距離が3であるとすると,Cの任意の符号語xiについて,xiとの間のハミング距離が1か2になる符号語はCの中には存在しないことになる.
 この最小距離は,符号の誤り訂正能力を表す重要なパラメータである。

*3 ガロア体(Galois Field)または有限体(Finite Field)
 ガロア体または有限体とは,元の数が有限で,加減乗除の四則演算が可能な集合である.実用上,重要なガロア体は,元の数が 2m (mは正整数)となるガロア体であり, GF(2m) と表記される.ガロア拡大体を使いガロア体の基本演算法の例を上げる.元の数が最も少ないガロア体はGF(2)であり,{0,1}より構成され,加算,乗算は次のように定義される.
+  0  1      0  1
0  0  1     0  0  0
1  1  0     1  0  1
<加算>     <乗算>
 多項式:  x2+x+1=0 の根は,GF(2)にはない.そこで,この多項式の根をαとして,そのべきを作る.
 α0=1  α1=α  α2=1+α( α2+α+1=0による )  α3=α+α2=1=α0  α4=α  α5=1+α=α2  ⋮  
上記において,αのべきで異なるものは、
1, α, α2
 の3つしかなく,0元を加えた { 0, 1, α, α2} がGF (22) になる。GF (22) の加算および乗算は次のように定義される.
+  0  1  α  α2      0  1  α  α2
0  0  1  α  α2     0  0  0  0  0
1  1  0  α2  α     1  0  1  α  α2
α  α  α2  0  1     α  0  α  α2  1
α2  α2  α  1  0     α2  0  α2  1  α
 加算,乗算に対して,結果はすべてGF(22)の元で表される.上記のように拡大体を生成する時の多項式を原始多項式といい,その根:α(原始元)と0によりガロア体:GF(2m)をすべてべき表現できる.べき表現を用いると乗算は,
αi·αj= α ( i+j ) mod 2 m-1
 と表記できる.
 また,原始多項式:G(x)に対し,G(α)=0であるため,GF(2m)の任意の元:αiは,
αi= a0+ a1α+ · · · ·  + a m-1 α m-1
 と表記できる.ただし,a0am-1はGF(2)の元である.ここで,GF(2m)の任意の元を
( a0,  a1,  · · · ·  , am-1 )
と表記すれば,これをGF(2)上のm次元ベクトルと考えてGF(2m)の任意の元の加算はGF(2)上のm次元ベクトルの加算となる.

*4 シンドローム(Syndrome)
 線形符号の復号に使用されるベクトルである.受信語Yが受信された時,パリティ検査行列Hと受信語Yの転置との積
S = H YT
 で定義されるm次元ベクトルをシンドロームという.符号語Xを送信し,誤りパターンeが発生した時,符号語Xに対しては,HX=0が成立するから,シンドロームは
S = H YT = H ( X + e ) T = H e T
 となる。
 つまり,シンドロームは,誤りパターンの形を反映しているものである。誤り訂正においては,まずシンドロームを計算し、誤りの有無を調べ、しかる後にシンドロームを用いて誤り訂正する.

今ではこういった専門用語ググれば済むが、35年前はそうはいかずこのような記事が極めて貴重であった。どこそこにこういった記事があったという記憶が大切な時代でもあった。
今は時間を掛けずとも必要な知識がすぐ手に入るが、そういった時間短縮による効果をどう有効に使っているのだろうか。
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