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エラー訂正符号(CIRC) 特集CD-ROM(4)(月刊ASCII 1986年6月号9) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

特集記事「CD-ROM 徹底研究 CD-ROMのすべて 第3回 デジタル信号処理」をスクラップして読み返す。難しい数式が出てきて手ごわい記事だ。理解できなくても良しとする。
エラー訂正符号(CIRC)
 CD方式プレーヤの場合,既に述べたように光ディスクから,光ピックアップ,光サーボ,CLVサーボ,PLL回路,EFM変調を通して信号を読み出すわけであるが,ディスク製作上および信号トレースの過程で種々の信号の劣化を生起する.CD方式の場合に生ずる信号劣化の要因としては,次のようなものがある.
 ①ディスクに最初からある欠陥,すなわちディスク製造時に生じた欠陥
 ・カッティングからディスク成形に至る過程で混入付着したゴミや傷
 ・ディスクのピットの成形不良,成形時の泡の混入
 ・アルミ反射膜の不良
 ・透明なディスクの屈折率の不均一性
 ②取り扱い中に生じた媒体の欠陥
 ・使用中についた指紋,傷、ほこり
 ③再生メカニズムの変動や乱れ
 ・サーボの乱れ(トラッキング,フォーカシング,回転制御など各サーボの安定性が悪いと符号誤りが増加する)
 ④ジッター
 ・再生波形の時間的ゆらぎ
 ⑤符号間干渉
 一般に①~③はバースト誤りとなり,④⑤はランダム誤りとなる.そこで,これらのバースト誤り,ランダム誤りを効率よく検出・訂正する誤り訂正方式が必要となる.CIRCは、このような種々の誤りを検出・訂正するために開発された符号である.
 CIRCの基本的な考え方は次のとおりである.
 ○長いインターリーブにより長大なバースト誤りに対処する
 ○2重符号化方式をとり検出・訂正能力を高める
 ○2重符号化に用いる各符号としては強力な検出訂正能力を持つ符号を使用する
 ○インターリービングは音楽信号に対して最適化する
 ○復号後の誤り率は将来の応用(コード・データ,記録再生など)に対して十分な可能性を持つ
 図7にCIRCの符号器/復号器を示す。図中○印がインターリーブ長(インターリーブのための遅延)を示す.また,L,Rは左右ステレオ音楽信号(16ビット)を示し,Wは音楽信号の上位,下位バイト(8ビット)を示す.

ASCII1986(06)c06CD-ROM_図07W819.jpg
 C1,C2は,それぞれGF(22)上の(32,28),(28,24)のReed-Solomon符号である*1.C1により,ランダム誤りを訂正し,C2でC1で訂正できなかったランダム誤りとバースト誤りを訂正する.C1,C2の最小距離*2は5であるので,消失のない時は2シンボルの誤り,消失のある時は4シンボルまでの消失訂正が可能である.
 また,C2復号時にはC1復号時に得られるポインタ情報(シンボルの信頼性の良否)を使うことができる.図8にCIRCの訂正能力とC1,C2のシンボルの配置を示す.ここでインターリービングを音楽信号に最適化するために,次のような基本的操作を行っている。

ASCII1986(06)c07CD-ROM_図08W1012.jpg
 ○シンボル(8ビット)誤りがワード(16ビット)誤りに波及しないように1フレーム遅延を行う
 ○補間長を長くするため,パリティは信号系列の中央に位置させる
 ○補間長を長くするため、音楽信号の偶数項と奇数項を分離配置する
 こうした操作によって,光ディスク上で約1.5mmのバーストエラーが発生しても完全に訂正され元のデータに復元される.

CDにはエラー訂正機能があった。35年前はあまり関心が無くどんなものかは全く理解していなかった。ASCIIにこうした解説記事があったが、見ただけで読みもしなかった。新しい製品を作るときにはこうして考えられる限りの事態を想定して対策を講じる。技術者の鑑とは彼らのことだと思う。
翻って安易に「想定外でした」という者たちに問いたい気分だ。想定していなかったということで、反省の色が見えない。なぜ想定しなかったのか。今後はどうすれば想定できるようになるのか。どう努力するのか。そういった対策を答えず「想定外」として責任逃れをしているようにみえ、不愉快な気持ちになる。正直に言えばいいんだ。「(想定はしていたけど)経済を優先しました。事故ったときのリスクより目先の利益を優先しました。今回は、アンラッキーでした。」
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