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特集CD-ROM(月刊ASCII 1986年5月号4) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集 CD-ROM で前号の続編
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この号も前号と同じく図だけでもという思いでスクラップして楽しむ。

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よくもこのような細密なものを開発できたものだと思う。35年前確かに日本の技術は凄かった。スクラップして今更ながらの知識を発掘した。それは、1枚のCDディスクのスパイラル状に繋がった1本のトラックの全長は約5kmだったということ。技術開発という点では厚さ約0.1μmのアルミニウム膜を蒸着しているのも凄いと思う。

ASCII1986(05)c03CD-ROM_図02_W520.jpg
これはマスタディスク原盤の作製の概略ブロック図。解説本文を読んでも良く分からない。

ASCII1986(05)c03CD-ROM_図03-05_W520.jpg
ピックアップの構成が3とおり考えられるという図。図3が最も複雑で図5が最も簡単で、理想は図5だそうだ。

ASCII1986(05)c03CD-ROM_図06_W520.jpg
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ASCII1986(05)c04CD-ROM_図08_W520.jpg
見事に分からない。

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この図の説明は「レーザーダイオードとHe-Neレーザーなどのガスレーザーとの大きな相違はビームの形にある。つまり、ガスレーザーでは平行ビームが出てくるのに対し、レーザーダイオードでは発散ビームが出てくる」

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この図の説明は「また、活性層に平行な軸と垂直な軸とで、広がり角が異なる構造を持ったものが多く、CD方式のピックアップを作るとき、高額系が複雑になり、かつ光のロスを生ずる。」

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本文から引用する「光ディスクを微視的に見ると、偏心しながら回転しているから、光ピックアップ側から見れば、幅0.5μm、ピッチ1.6μmのトラックは蛇行しながら走っていることになる。その中から所定のトラックを見つけ出し、レーザービームを蛇行している目的のトラックに正確に照射するのがトラッキングサーボの基本動作である。」
こうして説明を読むとかなり緻密なことをしていたと再認識する。

ASCII1986(05)c06CD-ROM_図12_W706.jpg
「信号を拾い上げるメインビームの両側にトラッキング検出専用のサブビームを配しているのが3ビーム法の特徴である。この3つのビームは、中心を結ぶ線がトラック方向に対してあるオフセット角を持つように配置されている。ビームが左右どちらかにずれた時、一方のサブビームの反射光の方が他のものより明るくなり、トラッキングエラー信号として利用される。完全にオントラックのときには両方共均等になる。」

ASCII1986(05)c06CD-ROM_図13_W697.jpg
「プッシュプル法は、1本のビームを用いて図13に示すようにビームスポット上のピット進行方向に対して2分割したフォトダイオードを設け、受光量のバランスからトラッキングエラーを検出する方式である。オントラック時にはピットの影が両フォトダイオードに均等にかかるため、エラー検出用差動アンプの出力はゼロとなる。ビームが左右にずれると、左右のフォトダイオードの受光量が相対的に増減し、それぞれ⊕、⊖の出力信号としてトラッキングエラー信号が得られる。」

ASCII1986(05)c07CD-ROM_図14_W677.jpg
「レーザービームをディスク反射面に収束させる対物レンズの焦点深度は、約±1.9μm程度しかなく、ディスクをCDプレーヤーに装填したとき、ピットにピントが合うことはほとんどありえない。もし仮に、たまたまあす瞬間にピントが合ったとしても、ディスクの反りや機械精度などに起因する面振れによってレンズとディスク間の距離は絶えず変化しているから、次の瞬間には焦点深度から外れてしまう。このため、CD方式プレーヤでは図14に示すように対物レンズをスピーカーのボイスコイルのような駆動コイル付きボビンに取り付け、それをサーボ回路で光軸方向に動かして、絶えずディスクのピット面が焦点深度内に入るようにレンズとディスク間の距離を調整する。」

ASCII1986(05)c07CD-ROM_図15_W739.jpg
「非点収差とは、1点から出た光がレンズを通った後、1点に集束しない現象である。この現象を意図的に作り出してフォーカスエラー検出を行うのが非点収差法である。図15に非点収差法のブロック図を示す。
 円筒レンズと球面凸レンズを組み合わせて非点収差を作り出している。円筒レンズは縦断面が平行四辺形であるため、上下方向に関しては屈折が起こらないが、横断面は凸レンズ状となっているため、左右方向に関しては屈折が起こり、ある1点に光が収束する。このため円筒レンズのフォーカスは縦線となり、球面レンズの点状フォーカスである焦点に対して、円筒レンズでは焦線と呼ばれる。ディスクからの反射光は、対物レンズの焦点がディスク反射面にあっているとき平行ビームとなって戻り、レンズが近すぎるとき発散反射し、逆に遠すぎるとき集束反射してフォーカス検出回路に入ってくる。
 4分割フォトダイオード上の信号の形は、対物レンズの焦点がディスク反射面に合ったとき、平行ビームのためビーム像が円形になる。また、ディスクとの距離が近すぎるとき、発散ビームのため焦線が後方にずれて像が縦長楕円となり、逆に遠すぎるときには集束ビームのため、焦線が前方にずれて像が横長楕円となる。合焦点時には4つのフォトダイオード①~④の出力が等しくなるため、フォーカスエラー信号はゼロとなり、ディスクが近すぎるとき、または遠すぎるとき、(①+③)」の出力と(②+④)の出力に相違が出て、⊕⊖に出力が変化する。」

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「臨界角というのは、光が光学的に密な物質から疎な物質に向かって進む場合、入射角が小さいと屈折しながらある角度以上になると境界面で全反射して外に出なくなる。このときのぎりぎりの入射角のことを示す。臨界角検出法は,斜面と垂直面とで作る角度を臨界角に選んだ直角プリズムを使って平行ビーム,発散ビーム,集束ビームの識別を行う方式である(図16).
 合焦点時はディスクからの反射光は平行ビームとなるから,ビームは全てが全反射し,フォトダイオード1,2には均等に光が当たり,エラー検出用差動アンプの出力はゼロとなる。ディスクと対物レンズとの距離が近すぎる時,ディスクからの反射光は発散ビームとなり,光束の上部の光はプリズム斜面への入射角が臨界角よりも小さくなって、斜面で反射せずに透過してしまう。そして下部の光は斜面で全反射してフォトダイオードに当たり,もう1つのフォトダイオードには光が当たらなくなるから差動アンプからは⊕の出力電圧が得られる。
 逆に遠すぎる時には、ディスクからの反射光は集束ビームとなり,光束の下部の光の入射角が臨界角よりも小さくなって斜面を透過してしまう。そして上部の光は斜面で全反射してフォトダイオードに当たるから,一方のフォトダイオードに光が当たらなくなり、差動アンプから⊖の出力電圧が得られる。」

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「ディスクからの反射光を集光レンズで集束し,その焦点位置にナイフエッジを立てておき,平行ビーム以外の光束を遮光してエラー検出を行う方式である(図17)。
 合焦点時はディスクからの反射光が平行ビームとなるため,集光レンズから焦点距離だけ離れたナイフエッジが立っている点で、ビーム径が最小となり,光は全く遮蔽されずに両フォトダイオードに均等に届く。このため、エラー検出用差動アンプの出力はゼ口となる。
 近すぎる時には発散ビームとなるため,光が集束する位置はナイフエッジよりも後方となり,光束の下部が遮光されてフォトダイオードに光が当たらなくなる。従って,差動アンプは相対的に⊕入力端子側の入力電圧が優勢となり⊕の出力電圧が得られる。逆に遠すぎる時,集束ビームとなるための光が集束する位置は、ナイフエッジよりも手前となり,光束の上部が遮光されてフォトダイオードの方に光が当たらなくなって差動アンプからは⊖の電圧が得られる。」

ASCII1986(05)c09CD-ROM_図18-20_W520.jpg
ASCII1986(05)c09CD-ROM_図21_W520.jpg
「ディスクを線速度1.2~1.4(m/s)の間で一定に回転させるためのサーボが回転サーボである。ディスクから読み出された信号は、アシンメトリーの影響が取り去られた後、波形の立ち上がり、立ち下りのエッジが取り出される.この信号はEFMの基本単位のクロック成分を持っているから,周波数スペクトラムは図18のようになる。
 すなわち,基本単位のクロックのスペクトルは明らかにに識別できるが、スペクトル成分としてはS/N比が低い。これを図19に示すような,ほとんど単一周波数成分であるスペクトルを持つ連統クロックにするのがPLL(Phase Locked Loop)の役目である。PLLの基本構成は図20のようになる.EFM信号の基本単位のクロック成分を持ったS/N比の低い信号がA点に入力され,B点には連続クロック信号が入力される。
 入力信号,すなわちA点の信号とB点の信号である連続信号とが同期している時、PLLはロックしているという。このクロックとプレーヤの中の水晶発振子を同期させれば、スピンドルモータのコントロールができることになる。」

ASCII1986(05)c10CD-ROM_図23_W520.jpg
「CDや光学式ビデオディスクといった光学式記録媒体から情報を読み取るためには,一般に対物レンズ駆動装置が必要となる。光学式ビデオディスクの場合には,図23に示すようにフォーカス,トラッキング,ジッターの3方向に対物レンズを動かせる支持構造を作り、おのおのの方向にそれぞれサーボをかける。
 CDの場合,ジッター方向を省略することができるためフォーカス,トラッキングの2方向にサーボをかけてやる。」

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ASCII1986(05)c10CD-ROM_図25_W520.jpg
「図24に軸式2軸デバイスの支持構造を示す。この方式は対物レンズを支持するボビンがあり,その中心に設けた軸受けにベースより垂直に立った軸を嵌合して,対物レンズに軸のスラスト方向と回動方向の自由度を持たせて目的を達成している。この方式はレンズの軸垂が出しやすく,組み立てが比較的簡単である上,特性も良好である。また,シリコンゴムでバネとダンパーの両方を兼ねており,金属バネによる共振のわずらわしさから逃げられる.2軸デバイスの磁気回路は,図25に示すようにスピーカーの外磁型磁気回路に90°の切り欠きを2カ所入れたような構造をしている。この切り欠きの位置に,トラッキングコイルのリターン巻線を位置させて,1つの磁気回路でフォーカスとトラッキングの両方に駆動力を与えることができる.。巻線構造(図26)はボビンの側面に4つの直方形のトラッキングコイルが張り付けてあり,このコイルの縦の電流成分がボビンに偶力モーメントを与えて回転させるように働く.フォーカスコイルはスピーカーのボイスコイルと全く同一の原理で動く。」

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「図27に板バネ式2軸デバイスの支持構造を示す.2枚1組の平行板バネを2組使ってフォーカスおよびトラッキング方向に対物レンズを平行移動できるようにしたのがこの方式である。
 板バネの平行度をシビアに出せば、レンズの平行移動は極めて良好に行われる.磁気回路は,フォーカスはボイスコイル式のMCであるがトラッキングはIM型を使っている。」

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「方式としては種々のものが発表されているが,ゴムなどの弾性体を使って対物レンズを支持するのがこの方式である。
 例えば,図28に示すように2本のOリングをボビンの上下にひし形状に張り,目的を達成するものである。金属バネを使用しないので,高次共振から逃げやすいが,反面レンズ光軸タオルが発生する可能性がある。構造的に簡単で,3軸への対応が比較的容易なため,光学系全体を組み込んで,かつスキューサーボと併用でビデオディスクプレーヤなどへの応用が可能である。」

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「光ディスク上のラセン状のピット列に少しずつ光学式ピックア」トップを追従させる機構を送り機構という。2軸デバイスを用いてトラッキングサーボをかけ、ディスクを回したままにしておいた時,トラッキングサーボはトラックを追いかけていくため、このまま放置すればレンズはバネに逆らって移動していく。
 この時、バネを伸ばすためのDC分はサーボ回路が出している.そこで,このDC分を送りモータに印加すれば自然に送りが実現する.バネはDC分を出す働きをするとともに,常に光軸中心上にあるトラックを追いかけていくように送りを動作させる重要な働きをしている.もし中性点保持のバネがなかったら,対物レハンズはどのトラック上にでも区別なく止まってしまう。
 送りのメカとしては、モーターを適当に減速してラックとピニオンで動かすか,繰りネジ方式のものが主流である(図29).。
 送り機構の設計に当たって特に注意すべき点は、ギアや送りネ、ジのバックラッシュである.バックラッシュがあると,外部からの振動によってトラッキングサーボが外れやすくなったり、送りサーボ系に不感帯ができてしまい好ましくない.」

こうしてスクラップすると分かったような気がする(気のせいだけど)から不思議だ。とにかく、こういうものを読むと理解できなくても面白い。これで、思い残すことが無くASCIIを資源ゴミに出せる。

最後に用語解説をスクラップする。
ASCII1986(05)c11CD-ROM_用語1_W354.jpg
ASCII1986(05)c11CD-ROM_用語2-4_W351.jpg
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