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MSX特集,マイコンクラブ(月刊ASCII 1984年9月号2) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

この号の特集はMSXだったが、その前説のような「FROM THE EDITORIAL OFFICE」だったのでスクラップした。

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 TPOに応じて使い分けるパーソナルコンピュータの時代
 MSXが市場に流通し始めてから,早一年,が過ぎ去ろうとしている.この一年の間に12社から延べ28種のMSXマシンが市場へと旅立っていった.その総数約40万台.これまでのパーソナルコンピュータの販売実績に追いつき,追い越すのももはや時間の問題と言われている.また,その間に数々の応用周辺装置がアナウンスされ着実に発売されてきた.これら周辺装置の豊富さも従来の常識を越えるものである。
 しかし,一方でMSXマシンに対する数々の否定的評価がなされていたことも事実である。曰く「ゲームマシンとしての価値しか認められない」,「画面の表示能力が弱く使い道が限られてしまう」等々.確かにMSXの仕様そのものは,決して高いものではない.しかし,MSXという規格の持つ最大のセールスポイントは互換性であって、決して高機能コンピュータを作ることではない,という点に今一度注目しなければならない.
 統一規格というとすぐに引き合いに出されるVTRの場合を思い浮かべてみると,MSXがいかに信じられない程順調に開発されてきたかが分かってもらえるだろう.
 VTRのフォーマットにはVHSとβの2種(厳密にいえばフィリップス方式やCVC方式など,さらにいくつかのフォーマットがあるが,余り一般的ではない.また,信号方式についてもNTSC,PAL,SECAMなど多くの方式がある.ちなみに日本はNTSC信号方式である.)があるのは既に御存じのことと思う.β方式は開発メーカーのソニーをはじめ三洋,東芝,パイオニア,NECなどで採用されており,VHS方式は松下ビクター,日立,シャープなどで採用されている.当然,両方式間には互換性がなく,ユーザーはどちらの方式のVTRを購入するかの決断を強いられてきた.
 一昨年だったと記憶しているが,これらVTRメーカー各社が「8mmVTR」という新しいVTRの統一規格の検討を開始したというニュースが報道された.しかし、2年を経過した今,試作を終え正式発表しているのはコダックのみである。もちろん他社でも研究が押し進められているようだが,まだ発表に至ってはいない.その背後にはメーカー間の虚々実々の駆け引きがあるようだ.
 単純にこれらとMSXを比較する訳にはいかないと思うが,規格発表後一年にして先にと述べたような実績を得たということは,実は大変なことなのである.
 さて,順調に実績を伸ばしつつあるMSXの購入者はどうなっているのだろうか.秋葉原の某販売店の統計によると,約50%が中学生及び高校生,約20%が一般,そして約20%が小学生,大学生は約10%となっているというもちろん一般の30%の中には父親と買いにきた小学生やそれ以下の子供たちも含まれていることが予想されるが,比較的広い層に受け入れられていると言うことができるだろう.それにしても大学生の割合がちょっと少な過ぎるような気がするのだが.
 大学生といえば現在,最もコンピュータに興味を持っている層である.にもかかわらず何故MSXに対して淡白なのだろう.その理由は彼等の知識の豊富さにあると思われる.つまりなまじ詳しい知識を持合せているために,MSXの仕様のみを見て使えないものと決めつけしまっているのではないだろうか。さらにMSXの良さに気付いても、仲間に笑われはしないか,うしろ指をさされはしないか,と要らぬ心配をしているのではないだろうか。
 今月は特集にMSXを取り上げ、現在そして未来へ向かってMSXがどう進化してゆくのかを紹介した.特集をじっくり読んでいただけば分かってもらえると思うが,数あるコンピュータの中で,その応用技術に関してこれだけ短時間に発展したものは他にはないという点を今一度考えてみて欲しい.
 TPOという言葉がある.時(Time),場所(Place),そして,場合(Occasion)に応じた服装をするということであり,もともとはファッション用語だったのだが,現在ではもっと広い分野で使われている.コンピュータもそろそろTPOに応じて使い分けされる時代になってきたのではないだろうか.
 外出用にウォークマン,仲間で集まってラジオカセット,そして一人でじっくりとコンポーネントステレオ音楽の世界がそうであるように,その日の気分によってコンピュータを使い分けてみたらどうだろうか。そういうやり方を今の大学生は実に得意なはずなのだから、そして,そのときMSXは何かを語りかけてくれるにちがいない.
大熊正美
 MSXマシンが40万台も売れたとは思わなかった。これは成功したといっていい。36年後に己の不明を恥じるばかりだ。MSXの仕様の貧弱さとかを認め、互換性がセールスポイントだと書いているのが好感持てる。互換性それはユーザのためではなく企業のためだった。どこの会社のマシンでも同じソフトが動くのでユーザはどこの会社のマシンを買っても良い。だからどこの会社も売り上げがある。みんな幸せになるマシンだった。性能は低いけどね。
 そして、とにかく規格統一できたということは凄いことだとビデオデッキの規格を引き合いにだして主張していた。この主張が変だとは思わない。NECの独り勝ちが見え始めてきたときソフトの豊富さも含め1社では勝てないので皆でまとまったというだけだろうとは思うが、ビデオとは違いパソコンはNECがIBMのように規格を公開しない限り互換機は作れないのでMSXに乗ったのだ。
 編集部は大学生のMSX購入率が少ないと書いているが、それはMSXを購入してもゲームにしか使えないと思っているからだったはず。自分のしたいことがMSXではできないので買わなかっただけだ。

 MSXを否定することばかり書いたが、社会人・主婦にMSXを勧めたことがあった。パソコン通信が流行りだし、日本各地にローカルBBSができたときのことだが、パソコン通信に引き込むためMSXを勧めた。チャットがしてみたいというのでショップに連れていき、MSXやモデムを買って、セットアップしてやってパソコン通信に引き込んだ。ワープロを使うわけでもないのでMSXで良いというかMSXが安価にパソコン通信ができた。このように、あることだけができればいいというときMSXは良いマシンだった。

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36年前まじめな研究熱心なパソコンクラブが日本各地にあった。

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MSXのグラフィックはこんなに貧弱だった。

MSX特集の最後はMSX Future
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と結んでいた。5年、10年先のMSXはないだろう。
最後にまとめの表をスクラップする。
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