SSブログ

パソコン雑誌を捨てる(月刊 ASCII 1983年 1月号) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

資源ごみに出す前に、読み返してみる。

【月刊 ASCII 1983. 1 記事】


アスキーの社名変更等の告知があった。
(株)アスキー出版は、本社を移転し、12月1日より(株) アスキーコンシューマプロダクツと合併して社名を株式会社アスキー(ASCII Corporation) としたとのこと。
FROM THE EDITORIAL OFFICEの宮崎編集長のコラムが素晴らしいためコメント等をしようとしたが無理だった。これは、1983年(正確には1982年末の時点だろう)の貴重な分析・意見として保存しておかねばならないと思う。以下引用する。
地殻変動の時代
 社名変更,本社移転,そして創刊以来6回目の新年号となにかとあわただしいなかで, 我々自身のパーソナルコンピュータに対する理念を再確認する意味を含めて,これまで10年にわたるマイクロコンピュータの歩みをふりかえってみた.特別企画の「年表」はその成果の一部分をまとめてみたものだ.
 十年一昔とはよく使われる言葉だが,この世界では二年一昔といった観がある.最近はその傾向にさらに拍車がかかり加速度が付いている。
 販売される台数もうなぎ昇りで,83年度は60万台,84年度には100万台ものパーソナルコンピュータが新たに売られるだろうというのが大方の予測である.
 このような急激な成長力は,かつてのテレビの普及力をほうふつとさせるが,両者の間には決定的な差異がある.  すなわち,テレビは受像器及び放送局の誕生以来,本質的な部分では姿を変えず,いわば相似的・アナログ的な進化を続けている. カラー化,多局化,UHF, ステレオ化と技術の発展による恩恵を常に受けつつも,それによってテレビの利用技術側の連続性が断たれたことはない. それに対し,コンピュータが向かう道はアナログ的成長の坂道ではない. ほとんど絶壁とも言えるような階段の続く道であろう。もちろん基本的なテクノロジー自体は常に連続性あるものだが,それを使う技術には時として離散的な革新が望まれている.
 「年表」を見ると,過去10年の間にいくつもの大規模な「地殻変動」のあとがうかがえる. マイクロコンピュータの登場そのものもそうであるし,BASICインタプリタを有するパーソナルコンピュータもそのひとつで ある。  これらの変動を生む要因は,コンピュータ アーキテクチャの学術的・実質的発展,デバイス技術の進化,市場要求の高度化,機敏な 指導者の登場,など諸々の力によっている.あたかも地殻下のマグマのごとき巨大な動きの総合的な結果と言っても過言ではない.
 そして,今もこの活動は継続しているばかりか,さらに盛んになりつつある.  CPUの能力,メモリ容量,大きさ,などといった各エレメントがアナログ的な性能向上を続けている一方で,飛躍的変化のためのカ――これは現在のシステムに対する不満とも呼べる――がしだいに貯えられてゆき, それが臨界点に達した時,何らかのきっかけを 得て一挙に爆発するのである.
 我々はパーソナルコンピュータあるいはその発展した何かを,新しい文化を創る基盤にしたいと考えている.そのためには2つの条件をクリアせねばならないだろう.ひとつは老若男女,誰にでも使える簡単さ,もうひとつは,絶えまない技術成長を吸収し連続的な利用者に対する便宜の向上へと変換し得る安定性である.テレビ,電話,自動車,などいわゆる文明の利器はこの二条件を満たしている.
 容易に扱え,技術革新によってさらに便利 になっても利用技術の糸を断たれないこれら の道具を基盤として現代の文化は進展している。
 コンピュータがこの域に達するには,まだ 幾多の大地殻変動を経験せねばならないだろう,我々は常にこの変動を素速く正確に把握し,発展的方向に導いてゆきたいと考えている。
宮崎秀規

どうだろう。慧眼とは言えないだろうか。宮崎編集長(当時)はどこまで未来を見据えていたのだろうか。

著作権をめぐる告訴事案。当時BASICのソースコード等が記載された技術書があった。非常に役に立つ資料で高速なプログラムを作るのに必要な知識だった。マイクロソフトが告訴したというこの事案すっかり忘れていた。
01ASCII1983(1)N-BASIC著作権w520.png

ラジオでマイコン情報番組があったことも覚えていない。録音してテープからパソコンにデータをロードできるとはなかなか良いアイデアだったと思う。
02ASCII1983(1)N-BASICラジオ番組w520.png

でました磁気バブルメモリ。大コケしたBUBCOM80だが、デバイスとしてはまだ生きていたのか。でも「悪環境の中で使用するコンピュータやデータ・ロガー等に使われている」ということで特殊用途だった。
03ASCII1983(1)N-BASICバブルメモリw520.png


iAPX188が性能向上型16bitCPUだとぉ(怒)MC68010と並べて紹介されるとは何事か!8086より(性能ではなく)酷いCPUだと思う。経営上の理由があって出したと理解するが、とにかく嫌いだ!不愉快だ!
04ASCII1983(1)性能向上型16bitCPUw520.png

このPCMプロセッサを買った。FMエアチェックに使って編集してカセットテープに落とすという作業をしていた。昔から基本的に放送を磁気メディアに記録し、編集するという作業を趣味としていた。現在は地デジを録画、編集、エンコードと同種のことを続けている。人生の大半をこのような趣味に費やしていたことをもちろん後悔している。
05ASCII1983(1)PCMプロセッサw520.png

赤外線通信は職場でもしていた。こんな昔からあったとは意外だった。当時、この記事は眼中になく全く記憶していなかった。ただ職場に導入されたのはセキュリティではなく床下の配線より簡単だからしていたと思っていた。セキュリティなら有線の方が優れていると思うから。
06ASCII1983(1)赤外線通信w520.png

手書き文字を含む数字など13字種を読み取り認識のAR-501で約150万円、OCR用印刷文字27~34字種の読み取り、認識のAR-308で約308万円とは人件費の方が安く上がるのではないだろうか。
07ASCII1983(1)ハンドルスキャンOCRw520.png

FM-11はNEC PC-9801に敵わなかった。だいたい、16ビット機は最上位の EX で、残りの AD, STは8ビット機とはFM-8があるのにもかかわらず、FM-11で8ビット機を出すとは何を考えていたのか。これがダメだったのは歴史が証明している。16ビッド機ではNEC以外は迷走していた。
08ASCII1983(1)FF-11w520.png
09ASCII1983(1)FF-11w520.png

「アスキー」誕生記念企画で未来予測年表があった。後で検証してみよう。
10ASCII1983(1)未来予測表w520.png

TBNは読みごたえのある記事が多かった。CPUのタイミング図でハードウエアの解説「配列宣言はできたのにエラーなんて…」でBASICインタプリタ―の内部の話とか興味深かった。しかし、今ではCPUの内部の話は不要な知識だし、言語の内部の話も不要になった。ガベージコレクションなんて死語。それにつけても、今、実感しているのはPerlのハッシュが凄いこと。何にも考えずに当たり前のように高速高機能のハッシュでプログラミングできるとは幸せなことだ。
11ASCII1983(1)TBN1w520.png
12ASCII1983(1)TBN2w520.png
13ASCII1983(1)TBN3w520.png
14ASCII1983(1)TBN4w520.png
nice!(0)  コメント(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:[必須]
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。