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Windows(月刊ASCII1984年5月号4)特集 [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

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1984年にもうWindowsの特集記事があった。私がWindowsを使ったのはWindows3.1からでそれもPageMakerを使いたかったからでPageMakerしか使わなかった。
日本ではMS-DOSどころかDiskBasicのソフトが幅を利かせていた時代にASCIIはもうWindowsの特集の記事を出した。ASCIIは先進的記事が得意だった。そのため、後進的パソコンユーザの私には猫に小判だった。
記事では「三種の神器」として
〇マルチウィンドウのマネジメントを行える
〇マウス等のポインティングディバイスとアイコンによるマンーマシンインターフェイス
〇アプリケーションソフト間のデータ交換を可能とした統合化ソフトウェア
があげられている。

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動作条件があったので引用する。
さて、MS-WINを動作させるための最低条件であるが,次の条件を満たすハードウェアが必要になる。
(1)8088/8086CPU:現在は,MS-DOSが動作する8088/8086でなければならないが,将来は他のCPUでも,またMS-DOS以外のOSでも動作が可能になる予定である.
(2)ビットマップディスプレイ:CRTの画素が,一つ一つ独立で扱える機能.
(3)192Kバイト以上のRAM:ウィンドウ上で,アプリケーションを実行させるための最低容量.
(4)マウス:ポインティングデバイスとしてマウスを使用。
(5)2台のフロッピーディスク:320Kバイト以上の容量をもつディスクを2台以上.
「MS-DOS以外のOSでも動作が可能になる予定である」とあるが、どのOSを想定していたのか?

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もちろんオーバーラップウィンドウではなくタイリングウィンドウ。これは縦にウィンドウを並べているが、こんなもの使い物になるとは思えなかった。分割ウィンドウより、表裏の2種類の画面があり切り替えて使用できる方が使い道がある。確か、そんな機能を持ったMS-DOSで動くEditorがこれ以降に発売されたように記憶している。

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36年前のアイコンデザインが...やはりWindowsはMacと比べいまいちだった。

ウィンドウの使い方の説明が続いているが、当時の読者はこのようなパソコンを見たことがない人が殆どであったので必要であった。


ASCII1984(05)c07図02システムアーキテクチュアW520.jpg
この説明がいまいち分からない。以下引用する。
MS-WINDOWSのグラフィック機能
 ここで、MS-WINのグラフィック機能をつかさどっているGDIについて触れておくことにしよう。
 これまでの説明からも分かるとおり,MS-WINでは,マンマシン・インターフェイスに強力なグラフィックスを用いているが,そのために必要な多くの機能を円滑にすすめるのがGDI(Graphic Device Interface)である。
 アーキテクチャ上から見ると、MS-WI「Nは大きく分けてWINDOW MANAGERとGDIから成り立っている(図2).WINDOW MANAGERが,ウィンドウに表示される各アプリケーションにインターフェイスを供給しているのに対して、GDIはグラフィックルーチンの集まりで構成されており、グラフィック出力デバイスにインタ-フェイスを供給している。つまりGDIは,グラフィック出力と必要とするアプリケーションと、CRTやプリンタとの間に立つインターフェイスとして働くわけである.
 GDIを通せば,各デバイスはMS-WINのアプリケーションから統一的な指令を受け取ることが可能になる.一方,各アプリケーションはグラフィック出力デバイスの違いを無視して稼働できる、アプリケーションによっては出力に必要なデバイスの特性を知ることができるようになっているが、GDIによる場合には,特性に関する情報を使用せずに良質な映像が得られ,デバイスに依存しない(Device-Independent)表示が行われる(デバイスの特性について情報を得るためのルーチンを用いて,さらに精度をあげることももちろん可能である).
 つまり,GDIは各アプリケーションからの出力に統一的なインターフェイスを提供することにより,異なったグラフィック出力デバイス間の違いを調整してくれるのである.
いまいち分からない図2の後には、注目すべきゼロックス・パロ・アルト研究所についての記事があった。以下スクラップ(引用)しておく。色々参考になる記事だった。
MS-WINDOWSとその背景
ゼロックス・パロ・アルト研究所
 マルチウィンドウという機能を考えるとき,忘れてならないのが、ゼロックス社のパロ・アルト研究所(PARC)の存在である。1973年にこの研究所で開発された『ALTO」と呼ばれるコンピュータは,当時,スモールトーク開発グループのリーダーであったアラン・ケイ博士が中心となって創り出したもので,パーソナルコンピュータという概念を生み出し、ウィンドウを通じて複数のタスクを同時に処理,表示するという、いわゆるユーザーインターフェイスへのアプローチを初めて提唱したものであった.
 「ALTO』自体は,あくまでも研究所内でのコンピュータであり,一般に市販されたものではなかったが,その基本的な設計理念は、まさに10年先を見越したものであったと言うことができよう、ワードプロセッシング,シミュレーション,プログラム作成(会話形式)等の機能を持ち、しかもビットマップディスプレイで,マルチウィンドウ表示であった.すなわちこれは、現在各社が競って開発している“ウィンドウを持ったインテグレーテッドソフトウェア”そのものであり、今になってやっとアラン・ケイ博士のアイデアが認知され、現実の姿を伴って世に現れてきたのである。
 なぜならば、極めて残念なことに、彼が提唱したこの先進的なアイデアは、10年近くも研究所で眠らされていたのである.ゼロックス社では、自社の持つ技術の先進性に対する認識が十分でなく、その上商業ベースに乗せるためには,あまりにもコストがかかりすぎ,当時のハードウェアも能力不足であったためである。
 やっとのことで、この優れた概念が陽の目を見たのは1981年,ゼロックス社が「Star』という,スモールトークを搭載したコンピュータを売り出した時であった。もっとも『Star』は、本体自体はそれほどでもなかったが,システムプリントサーバ,ファイルサーバ,イーサネット等を含んだ,システム全一体として高価であったため、結局は殆ど売れなかったようである.
 一方で,このアイデアに目を止め、じっくり暖めてそれを発展させ,マイクロプロセッサによるシステムとして成功したものがあった。1983年にアップル社から発売された『Lisa』である。そして,この『Lisa』の出現により,“ウィンドウ戦争”への幕が切って落とされたと見ることができる。
ウィンドウシステム前史ということで興味深い保存しておくべき記事である。

MS-WINDOWSの可能性という記事を見ると
 さて,これまでMS-WINが持つ基本的な機能を説明してきたわけだが,最後に実際の用途を考えてみよう.
 MS-WINは複数のアプリケーションを同時に走らせることができるわけだが,厳密に言えばこれには2種類あることに注意する必要があるだろう.
 まず第1は,複数のアプリケーションが相互に関係なく、全く独立して動作するケースである.
 第2は各アプリケーションが相互にデータを交換して、影響を与えながら動作する場合である.
 前者の相互に不干渉に動作するというのは,一見あまり用途がないように見えるが,これだけでもかなり有効な機能ではないのだろうか.例えば,最もプリミティブな使いかたとして,テキストの編集の状態を考えてみよう.文章にしても,プログラムリストにしても,しばしばテキスト内の相当離れた個所を,相互に又は同時に参照したいというケースがある.しかし,現在の普通のパーソナルコンピュータでは,25行を越えると,同時に相互参照するということが不可能ではないにしても,極めて面倒なことになる.MS-WINを使用すれば,こういったことが,実に簡単に実現できるわけである.
 この延長線上の使い方として,データベースやグラフプログラムを走らせて,参照しつつワープロを使って文章を作成する,という使い方もあるだろう.こういう使い方は,MS-DOS上で動く,ソフトウェアであるならば,一切手を加えずに利用できる.
 しかし,同じような使い方でも、グラフ出力を切り取って、ワープロで作成した文書にはめ込んだり,マルチプラン等の表計算プログラムで計算した結果を,グラフ作成プログラムで利用する,といった使い方になると専用プログラムが必要になる.
 いずれにせよ,相互参照ということは,様々な応用が考えられる.プログラミングでの応用としては,1つのウィンドウにプログラムを実行させたままで,別のウィンドウでリストを表示させ,デバッグするということもできるだろう。さらに将来ホビー分野にまで利用が広がった時には,複数のシミュレーションゲームを同時に走らせるといった剛の者も現れるかもしれない.そこまで行かなくても,マルチウィンドウを使った専用ゲーム等が開発されるのではないだろうか.「どのように利用するかというのは結局ソフトウェアハウスの開発者や,ユーザーそれぞれの想像力にかかっている,と言えるのではないだろうか.多くの有効な使い方が生まれるのを期待したい.
テキストの編集の件は「WindowsシステムでなくともEditorの機能として実装できるだろう。」という突っ込みはさておき、なんだか、もやっとした感じの内容である。まだ使ってもいないのだからしょうがないところだ。使い始めてからやっと使い道が生まれてくるものだ。これは36年後の後出しジャンケンである。

以下写真をスクラップする。インタビュー記事にはそうそうたるメンバーが登場している。
ASCII1984(05)c13写真JOHN_BUTLER_w520.jpg
ASCII1984(05)c13写真LEO_NIKORA_w520.jpg
ASCII1984(05)c14写真RON_HOSOGI_w520.jpg
ASCII1984(05)c14写真機械Dolphin_w520.jpg

Condurrent CP/M Rllease 3.1 も紹介されている。
ASCII1984(05)c15WINDOWS(CCPM)_W520.jpg

当然Macの解説もある。
ASCII1984(05)c21WINDOWS(Mac)_W520.jpg

全体的にまだ本格運用されていないウィンドウシステムであるから、36年後にこうして解説を読んでもぼやけた印象となっている。

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