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パルサー,6.5Mフロッピー、スペースシャトル他(月刊ASCII 1984年11月号3) [月刊アスキー廃棄(スクラップ)]

ASCII EXPRESSに掲載されたその他の記事をスクラップする。

パルサー発見の記事。
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ASCIIは宇宙科学に関するトピックが紹介されることが多かった。

キャプテン端末発売。
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見たことがなかった電電公社のキャプテンシステム。天気予報、行楽地等の情報を3分間30円で見ることができる素晴らしいシステムだった(36年前は)。でその利用者端末のお値段はというと、富士通が22万円、三菱が212,000円。で、何台売れるかという目算は昭和60年度で日立が7万台、日電が3万台、東芝が1万台とバラバラ。これは前途多難を示していると考えるべきだったと36年後の後出しジャンケンでは思うのだけれど、「各社とも、将来的に有望なのは間違いない」いやそれ間違いだったから。読み違いの連続の歴史だった。

36年後は無料で普通に翻訳ができるが
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富士通が開発し料金は月額レンタルで35万円と55万円の2タイプだった。

36年前の中国はというと
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これだけで記事になっている。

PC-9801Fのフロッピーが640Kbytesだった36年前。
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日立マクセルは6.5Mbytesのフロッピーを開発していた。その後見た記憶がなかったけれど。

マッピーは可愛かった。
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7万円前後で遊べる。

日本各地のパソコンクラブの紹介。
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パソコンの使い方が良く分からない人たちも参加しているクラブ。36年前パソコンを買ったけど使えるようにならなかった(Basicが分からない。雑誌掲載のプログラムを入力したが動かない。)人がこのような活動を求めていた。何回も書いたけれど私も相談された経験がある。「50歳代の親がPASOPIAを買ったけれど使いこなせずPC-8801を買った。PASOPIAは下取りに取ってもらえずお下がりで自分のところにきた。PASOPIAはソフトがなくBASICでもするしかない。BASICを教えてほしい」このときは困った。
パソコンクラブのいいところは、実際に市販ソフト、自作プログラムにかかわらず皆の前で動かしてみて、こんなことができるんだ。こんなプログラムが書けるんだと体感することだった。

スペースシャトル「ディスカバリー」号のトラブル記事。スペースシャトルといえば打ち上げ時のチャレンジャーの爆発事故、帰還時のコロンビアの空中分解事故と悲劇があったが、ディスカバリーはなんとか無事に39回の任務を終了した。
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発射までのトラブル記事が緊迫感があるので引用する。
 スペースシャトル・ディスカバリー初飛行で多数のミッションを達成
 8月30日,ケネディ宇宙センターから打ち上げられたスペースシャトルの3番機,ディスカバリーは,初飛行を無事に終了し、9月16日,カリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着陸した.この間ディスカバリーは,民間の通信衛星SBS-4とテルスター3C,米国海軍の通信衛星リーサット2の計3機の衛星を軌道上から発射した.衛星は,それぞれペリジモータとアポジモータとを噴射して順調に静止軌道に向かった.この他,将来の有人宇宙基地に使用する大型太陽電池パドルの伸縮実験,無重力状態で電気泳動装置を使って臨床テスト用ホルモンの精製実験に取り組むなど,初飛行で多数のミッションを達成した.
 危機一髪のエンジン・ストップ「コロンビア,チャレンジャーに続くスペースシャトルの3番機としてロックウェル・インターナショナル社で建造されたディスカバリー.その打ち上げは,8月30日の成功前に,既に6月25日と26日,そして8月29日と3度にわたって試みられた.しかし,搭載コンピュータやメインエンジンのトラブルが相次ぎ、いずれもリフトオフ直前に打ち上げを中止する異常事態となった.
 まず6月25日の打ち上げに先立つ射場でのテストで,オービター(軌道船)の3基のメイン・エンジン(推力各170トン)のうち,第3エンジンに異常が発見された,急遽これをチャレンジャーのエンジンと交換,万全を期して初飛行に臨んだ.ディスカバリーのリストオフは,午前8時43分(東部標準時)に設定された。
 6月25日の朝,ケネディ宇宙センターは緊張した空気に包まれていた海軍の通信衛星リーサットをカーゴベイ(貨物室)に搭載,これを軌道上から発射するミッションを負ったディスカバリーの打ち上げの秒読みと点検作業とが続けられた.しかし,リフトオフ32分前にディスカバリーの予備コンピュータの1つに異常が見つかり,リストオフ9分前には秒読みが中止された異常が見られたコンピュータは,チャレンジャーのコンピュータと交換するため、急いで作業が始められた.この作業のため、打ち上げは翌日に延期された.
 交換作業は問題なく終わり,新たに設定された6月26日午前8時43分のリフトオフを目指して秒読みが再開された,交換したコンピュータは正常で,秒読みは順調に進んだ.リフトオフ6.6秒前,オービターのメイン・エンジンに点火され,射場に轟音がとどろいた.しかし,エンジンの燃焼はただちにストップされ,リフトオフ僅か4秒前というきわどい時点で打ち上げが中止された.
 オービターの3基のメイン・エンジンは、リフトオフ6.6秒前にまず右側の第3エンジンが点火され,それから0.12秒遅れて左側の第2エンジン,さらに0.12秒後に上側の第1エンジンが点火されるようプログラムされていた.ところが,最初に点火すべき第3エンジンの液体水素を送り込むバルブが作動せず、点火は不成功に終わった続く第2エンジンは正常に点火.しかし,第3エンジンの異常を検知したコンピュータが,残る第1エンジンの点火直前に緊急停止信号を送り,燃焼中の第2エンジンストッププさせた.この間わずか2.6秒.もし停止が間に合わず,2基の固体ブースターまで点火されていれば事は重大を極めた.固体ブースターの燃焼は簡単には止められず,推力も1基1300トンと大きいので,打ち上げを中止するのは不可能だった.
 まさに危機一髪の緊急停止であった.前日は予備コンピュータの異常に悩まされたが,この日は第3エンジンの異常を検知したコンピュータの素早い応答に救われた.点火に失敗した第3エンジンは,交換したばかりのチ・ャレンジャーのエンジンであった。
 打ち上げ中止直後,発射管制室では,機内の6人の宇宙飛行士やディスカバリーの機体の安全確保のため,緊急対策が次々に実行された.緊迫した空気の中で,まず全てのエンジンの停止が確認され,第2エンジンの噴射で生じた機体周辺の火災も放水を繰り返して鎮火に向かった.一時,緊急脱出に備えた機内の乗組員は40分後には全員無事に機外に救出された.
 再度打ち上げ目指してペイロードの追加
 NASAは直ちに事故の原因究明とディスカバリーの改修に着手点火に失敗したエンジンは、チャレンジャーのエンジンと再度交換された.以前にもトラブルを起こしているオービターのメイン・エンジンは,徹底的な原因究明と改修が必要だった.
 このエンジンは,従来のロケットのエンジンと異なり,55回の飛行に耐える再使用が可能なように設計されている.そのうえ,小型・高性能化を図るため,燃焼圧が209kg/cm2aと従来の4倍も高く設計された,画期的な液酸・液水エンジンである.その反面,高圧のため,シール漏れやターボポンプの破損などのトラブルも発生している.
 ディスカバリーは、ケネディ宇宙センターの機体組立棟に戻され,ペイロード(積荷)の変更が始められた。今回の打ち上げ失敗で、スペースシャトルのフライト・スケジュールは,当初の計画より大幅に遅れる結果となったぎっしりと詰まった打ち上げ予約を少しでも消化するため,リーサットに加えて,SBS社の通信衛星SBS-4とATT社の通信衛星テルスター3Cも搭載することになった.1回のフライトで3機の通信衛星を打ち出すのは,シャトルのフライトでも初めての試みである。当初8月末に予定されていた空軍の軍事ミッション用のフライトト(ミッション41Fはキャンセルされた.
 ディスカバリーの改修作業と新たに追加されたペイロードの準備との兼ね合いで、次回の打ち上げは8月末と設定されたSBS-4とテルスター3Cは、去る2月に2機の通信衛星の軌道投入に失敗したのと同型のペリジモータ(トランスファ軌道に投入する固体ロケットPAM)を使用するので、失敗を繰り返さないよう,ペリジモータの改修と試験も続けられていた.
 再びコンピュータ・トラブル
 6月のメイン・エンジン緊急停止から2カ月後の8月29日早朝,ケネディ宇宙センターでは、ペイロードの追加を終えたディスカバリーの打ち上げが再度試みられた.しかし,搭載コンピュータに新たな異常が発見され,リフトオフ直前になって再び秒読みが中止された.コンピュータ・トラブルはソフトウェ「アの原因で生じたものと判明,新しいプログラムをロードすることによって比較的簡単に解決された.
 コンピュータ・トラブルによって,打ち上げは翌30日朝の8時35分に延期され,29日夜には秒読みが再開されたディスカバリー初飛行への4度目の試みであった.
 遂に打ち上げに成功
 4度目は遂に成功,ハーツフィールド船長を含め6名の宇宙飛行士を乗せたディスカバリーは、予定より7分遅れの8月30日午前8時42分,ケネディ宇宙センターの39A発射台から初飛行に飛び立った.ディスカバリーは順調に飛行を続け,巨大な固体ブースターや外部燃料タンクを切り離し,リフトオフ45分後に高度280km,軌道傾斜角28.1度の,地球を回る円軌道に入った.今回のフライトはスペースシャトル通算12度目の飛行STS-12で,初めて民間の研究者チャールズ・ウォーカー氏がシャトルに乗り込んだ.
 打ち上げ8時間後の午後3時40分(中部標準時),オービターの貨物室から最初のペイロードSBS-4を発射,SBS-4は、底面に取り付けられた固体ペリジモータPAMと共に,毎分50回転でスピンしながら,毎秒0.9mのゆっくりした速度で上昇して行った.
 45分後にはペリジモータに点火して,遠地点高度約36000km,軌道傾斜角28.5度の長円型のトランスファー軌道に乗せることに成功.2月のトラブル以来,改修とテストが重ねられてきたPAMは正常に作動して,関係者は胸をなでおろした。
 翌31日午前8時17分,米海軍の通信衛星リーサットを貨物室から発射リーサートは直径が4.2m,高さが4.3mもある円筒型の大型衛星で,SBS-4とは異なり衛星の機軸方向がオービターの機軸方向と一致する向きに搭載されている.
 発射に際しては,衛星が貨物室から横に転がるように打ち出された.これはフリスビーを投げる方法に似ており,簡単な衛星分離機構で衛星の姿勢安定のためのスピン(毎分2回転)と,オービターから離れるのに必要な秒速0.7mの速度成分を与えることができる.
 リーサットは発射後,リアクション・コントロール系(軌道・姿勢制御用の小型ジェット)を作動させた固体ペリジモータを噴射して長円型のトランスファー軌道に入った.
 さらに翌日9月1日午前8時24分,最後の衛星テルスター3Cを貨物室から発射.テルスター3CはSBS-4と同じく,毎分50回転でスピンしながら,毎秒0.9mでゆっくり上昇して行った.45分後にはペリジモータに点火してトランスファー軌道に入るのに成功.今回ディスカバリーから発射された3機の衛星は,全て無事にトランスファー軌道に入った.
 続いて同日午後0時20分,大型の太陽電池パドルの伸展実験に着手、長さ4m,幅37cmの長方形状のパネル84枚を折り畳んだ大型パドルは,毎秒4cmのゆるやかな速さで宇宙空間に向けて伸び始め,10分後には全長22mに達した.1時間後には折り畳みが試みられ,これにも成功,同じ実験が2日の午前にも試みられた.
 これらの作業と並行して,無重力状態を利用して電気泳動法による臨床テスト用のホ死マンの精製実験が行われた.この実験は,マグダネル・ダグラス社が将来の本格的な宇宙工場の予備実験として行ったもので,オービターに乗り組んだ同社のチャールズ・ウォーカー氏が担当,電気泳動装置が不調で,手動制御に切り換えての実験となったが,予定の83%の精製に成功した.なお,ホルモンの種類は企業秘密で公表されていないが,抗ガン剤の一種と言われている。
 打ち上げで散々にトラブルが生じたものの,初飛行で予想を上回る成果を達成したディスカバリーは、6日間のフライトを終え9月5日午前6時38分(太平洋標準時)に予定通りカリフォルニア州のエドワーズ空軍基地に着陸した.
 これでスペースシャトルはコロンビア,チャレンジャーと合わせて3機の運用体制となった.しかし,今回の一連の失敗で失ったスペースシャトルに対する信頼を今後どう回復するのか,テキサス・インスツルメンツ社のIC欠陥問題も絡んで今後のNASAの対応に興味が持たれるところだ.
36年前はスペースシャトルの安全性をなんとなく信頼していて、事故が起き乗組員が失われるとは思っていなかった。しかし、このときのトラブルをもっと深刻に考えるべきだったとは36年後の後出しジャンケン。
記事の最後は「しかし,今回の一連の失敗で失ったスペースシャトルに対する信頼を今後どう回復するのか,テキサス・インスツルメンツ社のIC欠陥問題も絡んで今後のNASAの対応に興味が持たれるところだ. 」で締めているが、慧眼というべきだ。
「ハインリッヒの法則」がある。1件の重大事故の背後には、重大事故に至らなかった29件の軽微な事故が隠れており、さらにその背後には事故寸前だった300件の異常(ヒヤリハット)が隠れているというもの。「1:29:300の法則」とも呼ばれる。スペースシャトルの事故はこのハインリッヒの法則が成り立っていたのだと思う。
人はすぐに過去の事件事故を忘れてしまう。したがって、事故の教訓も忘れてしまう。この36年間発生した事件、事故、災害を振り返り思い出すことで教訓も思い出せるので有用である。

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